電車の座席に座ってて、周りの座席が空いてるのに隣に座られて何か不快な気持ちに…
そんな経験みなさんありますよね。
それは誰もが持っているパーソナルスペースという心理的な空間に見知らぬ人が侵入することで起こる感情です。こういった自分自身が意識せずとも無意識に相手との心理的距離のことを「こころの距離」と言います。
高山直 著書「EQ こころの距離の近づけ方―人に強いビジネスパーソンになる」には人とのこころの距離に注目した本で、EQ(Emotional Relationship)の概念やこころの距離の近づけ方の技術が具体的に書かれています。
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ルールの上にいくのがマナー
マナーの基本的な考え方の中には、相手に対する敬意や尊敬の念が働いていると思います。
周りでレストランやお店で従業員に対して威圧的・高圧的であったり無茶苦茶なことを要求する人がいて自分も不快な気持ちになることはありませんか。そういう人はだいたい状況判断や相手への配慮が欠けています。
マナーとは周囲や相手の感情にこころを配ることをいいます。相手へ配慮して、相手の気持ちになり、今何を思っているのか。気持ちへ意識を向かせることがマナーだと言えるでしょう。
こころの距離は3つの軸で構成される
- 社会的関係性
- 嗜好と価値観
- 感情
こころの距離を分けると大きく3つに分かれます。
社会的関係性は家族・恋人であれば関係は深く、知らない人ほど遠くなる尺度です。同じ大学出身・地元が同じ・趣味が同じといった属性が近いほど関係性はより深くなります。
会社で年は違うのに出身校が同じなだけで何故か親近感が湧くってことありますよね?個人レベルでは遠くても社会レベルで同じだと心理的防壁が解けてきます。
嗜好と価値観は一言いうと好き嫌いのことです。価値観が近いとそれだけ距離も縮まります。
感情は「社会的関係性」と「嗜好と価値観」の土台にあたります。もし感情が嫌い・大嫌いとします。すると社会的関係性が近くて価値観も近い相手だとしても、嫌いだからやっぱり嫌だとなっていまいます。逆もまたしかりで関係性が遠い相手でも感情的に良いものだと良い方向に引っ張られるものです。
感情はコントロールできれば強力な武器です。そしてこころの距離を近づける最高のツールにもなります。
自覚することから開発の第一歩
わたしたちは誰でもある程度のEQ能力を備えており、対人コミュニケーションの場などでそれを利用しています。
誰しもがEQをコントロールする能力を持っていますが、多くの人はそれを無意識のうちに活用しています。しかしEQ能力を向上させるには意識的に使うことが絶対条件です。
無意識だと仮にコミュニケーションが上手くとれたとしても、たまたま上手くできただけなのか、自分で活用したことでよい結果になったのかが分かりません。フィードバックもできないのでその後に活かすこともできません。ではどうしたらいいのか。
「自分はEQという能力を持っている」〜中略〜「自分はいま、EQ能力を発揮しているのだ」ということをしっかりと自覚し、意識して行動することです。
自分や相手の感情を意識して聞いているんだと「自覚して意識すること」が肝心だと本書では評されています。
私も以前、家族と話している際何故か無性にイライラする時期がありました。ただ話しているだけなのにイライラが募ってくる。
そこで一度冷静になって考えてみました。どの部分で、何に対して気持ちが沸いてくるのかを分析してみました。するとイラッとする気持ちが沸いてくる瞬間をピンポイントで発見できました。
それは家族の話題の話し方でした。
核心部分に近づいた。と思ったのにまた核心の周りを無駄にぐるぐると話す。再び核心に近づいたと思ったらまた何か思い出したかのように核心から離れていく。そんな話し方に自分の心がメッセージを放っていたようです。
それからはその部分を意識するようになり、まあそういう話し方の人やもんねと考えるようになりイライラすることがなくなりました。感情のセルフコントロールによって相手にイラッとしたオーラを感じさせることもなくなりましたし、自分もストレスから解放されました。
原因さえ分かってしまえば対処の方法はいくらでもあります。
自覚することこそがEQ開発の第一歩です。
見つけた好きなことば
感情にこころを開こう